第六款 株式の消却
第百七十八条 株式会社は、自己株式を消却することができる。この場合においては、消却する自己株式の数(種類株式発行会社にあっては、自己株式の種類及び種類ごとの数)を定めなければならない。
2 取締役会設置会社においては、前項後段の規定による決定は、取締役会の決議によらなければならない。
第百七十九条 削除
第五節 株式の併合等
第一款 株式の併合
(株式の併合)
第百八十条 株式会社は、株式の併合をすることができる。
2 株式会社は、株式の併合をしようとするときは、その都度、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 併合の割合
二 株式の併合がその効力を生ずる日
三 株式会社が種類株式発行会社である場合には、併合する株式の種類
3 取締役は、前項の株主総会において、株式の併合をすることを必要とする理由を説明しなければならない。
(株主に対する通知等)
第百八十一条 株式会社は、前条第二項第二号の日の二週間前までに、株主(種類株式発行会社にあっては、同項第三号の種類の種類株主。次条において同じ。)及びその登録株式質権者に対し、同項各号に掲げる事項を通知しなければならない。
2 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。
(効力の発生)
第百八十二条 株主は、第百八十条第二項第二号の日に、その日の前日に有する株式(種類株式発行会社にあっては、同項第三号の種類の株式。以下この条において同じ。)の数に同項第一号の割合を乗じて得た数の株式の株主となる。
第二款 株式の分割
(株式の分割)
第百八十三条 株式会社は、株式の分割をすることができる。
2 株式会社は、株式の分割をしようとするときは、その都度、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 株式の分割により増加する株式の総数の株式の分割前の発行済株式(種類株式発行会社にあっては、第三号の種類の発行済株式)の総数に対する割合及び当該株式の分割に係る基準日
二 株式の分割がその効力を生ずる日
三 株式会社が種類株式発行会社である場合には、分割する株式の種類
(効力の発生等)
第百八十四条 基準日において株主名簿に記載され、又は記録されている株主(種類株式発行会社にあっては、基準日において株主名簿に記載され、又は記録されている前条第二項第三号の種類の種類株主)は、同項第二号の日に、基準日に有する株式(種類株式発行会社にあっては、同項第三号の種類の株式。以下この項において同じ。)の数に同条第二項第一号の割合を乗じて得た数の株式を取得する。
2 株式会社(現に二以上の種類の株式を発行しているものを除く。)は、第四百六十六条の規定にかかわらず、株主総会の決議によらないで、前条第二項第二号の日における発行可能株式総数をその日の前日の発行可能株式総数に同項第一号の割合を乗じて得た数の範囲内で増加する定款の変更をすることができる。
第三款 株式無償割当て
(株式無償割当て)
第百八十五条 株式会社は、株主(種類株式発行会社にあっては、ある種類の種類株主)に対して新たに払込みをさせないで当該株式会社の株式の割当て(以下この款において「株式無償割当て」という。)をすることができる。
(株式無償割当てに関する事項の決定)
第百八十六条 株式会社は、株式無償割当てをしようとするときは、その都度、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 株主に割り当てる株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法
二 当該株式無償割当てがその効力を生ずる日
三 株式会社が種類株式発行会社である場合には、当該株式無償割当てを受ける株主の有する株式の種類
2 前項第一号に掲げる事項についての定めは、当該株式会社以外の株主(種類株式発行会社にあっては、同項第三号の種類の種類株主)の有する株式(種類株式発行会社にあっては、同項第三号の種類の株式)の数に応じて同項第一号の株式を割り当てることを内容とするものでなければならない。
3 第一項各号に掲げる事項の決定は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。
(株式無償割当ての効力の発生等)
第百八十七条 前条第一項第一号の株式の割当てを受けた株主は、同項第二号の日に、同項第一号の株式の株主となる。
2 株式会社は、前条第一項第二号の日後遅滞なく、株主(種類株式発行会社にあっては、同項第三号の種類の種類株主)及びその登録株式質権者に対し、当該株主が割当てを受けた株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を通知しなければならない。